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2008年04月02日 up
高木学校では、昨年2007年9月から12月にかけて、「妊婦・子育てを応援するWEBコミュニティー」のベビーコム“babycom”と共同で、医療被ばくに関して、妊娠経験のある方々や子どもがほしいと考えている方々へのアンケートを実施しました。回答を寄せてくださったみなさん、どうもありがとうございました。
調査結果は次のようにまとめましたので、ご覧ください。
「妊婦の被ばく 高木学校・ベビーコム共同アンケート調査結果について」(PDF/306KB)
この内容はそのまま、妊娠中の被ばくに関する解説や子どもの被ばくの問題とともに、以下の報告集に掲載しております。ご興味のあるかたには1部400円(+送料)でお送りします。
「高木学校第11回市民講座報告集 医療被ばくをへらすために〜妊婦と子どもを中心に〜」
2008年1月25日発行
→書籍注文ページはこちら
また、エックス線やCT検査による医療被ばく全般については、「受ける?受けない? エックス線 CT検査」増補改訂版を4月末に出版します。しばらくお待ちください。
みなさんの書き込み(ご意見)をいただいて、医療被ばくに対する不安の大きさを感じました。高木学校では、まだみなさんの不安、ご意見に答え切れないところがあります。今回の掲載以外に上記冊子の出版、さらに今後の活動を通してお答えしていく所存ですので、よろしくお願いします。
みなさんの回答やご意見を読みながら、検討した結果、不必要な医療被ばくを減らすには、医療従事者・医療機関・医療教育・医療制度を変えていかなければならないと考えております。
高木学校では今後、以下の点を行政や医療機器メーカーを含む医療関係者に要求する活動を行っていきます。
1.放射線には、がんをはじめとする多因子疾患の頻度を被ばく線量の総量に比例して高めるリスクがあります。
診断用に放射線を使う場合には、その必要性の判断に責任のある医師を中心とした医療従事者がリスクに対する認識を持つことが最も重要です。
2.現在、医療現場や医療教育には画像診断への過信があります。医療関係者には医療のあり方として、放射線のリスクも考慮した見直しを求めます。
3.健康意識の高い層であっても、CT検査やマンモグラフィーが放射線を使っていることを知らない人が4人から3人中に1人います。放射線・エックス線の使用とそのリスクについて広く一般に知らせなくてはいけません。
4.放射線検査の妊娠や胎児、子どもへの影響について多くの人が不安を感じています。「低線量だから安全です」では不安は解消しません。
放射線のリスクとその防護についての確かな知識と検査の必要性についての的確な判断が求められています。
5.不安を抱かせないために妊娠しているかどうか聞かないという方針はまったく賛同が得られません。妊婦や妊娠可能性のある方には特にていねいな説明と防護の実行が必要です。
6.妊娠しているかどうかわかりにくい妊娠初期が胎児へのリスクが最も大きくなります。放射線検査は妊娠の可能性が最も低い生理開始後10日間以内に行うことを基本としましょう。
7.病院や診療所内において、被検者が不安や疑問に感じたことを聞くことができる機会や雰囲気がほしいものです。可能な場合には、個別に相談に答える窓口を設置することがのぞましいでしょう。
8.放射線検査の有効性、有用性もはっきり確かめられているわけではありません。継続的な調査が必要です。
9.リスクを知るには、線量の実測またはできるだけ正確性の高い線量推定と、診断後のフォローが前提となります。線量推定に不確実性が伴うからといって、測定や推定をせずにすましてはいけません。目安としての量があるのとないのとでは、大きなちがいです。
10.画像診断の写真や線量等のデータは被験者のものです。被検者に線量を知らせ、手帳等への記録を促すこと。
11.マンモグラフィーの場合は超音波、CT検査にはMRI、バリウム透視には内視鏡といった放射線をあびない検査方法があり、それぞれ固有の有用性とリスクがあります。医療関係者はそれらを常に検討し、被検者にも知らせてください。
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